合唱コンクール必勝法!~よい合唱をつくるために~

学級活動
スポンサーリンク

合唱コン指導法
10月~11月は合唱コンクールシーズン。どこの中学校でも合唱コンクールに向けて熱のこもった指導をしているのではないでしょうか。学級担任が合唱コンクールに向けてどんな準備をしていく必要があるのでしょうか。

準備しておくこと

担任がその曲をまず覚える
Youtubeや、音楽の先生にCDを借りるなどして曲をたくさん聞きましょう。通勤の往復時に聞けるとよです。頭の中を合唱曲が駆け巡るくらい聞きましょう。そして、とにかく生徒と一緒に歌いましょう。それだけで生徒の気持ちはかなり満足します。

楽譜
合唱コンクールで歌う楽譜を印刷し、表紙をつけて製本しましょう。作曲家からのメッセージや指導のポイントなどが載っている歌集もありますので、音楽科の先生に一度訪ねてみると良いです。

大きな紙に書いた歌詞
楽譜を持っていると、どうしても下を向いてしまいます。そこで、ある程度覚えたころに大きな紙に歌詞を書き、黒板や壁に貼って、それの前で指揮をさせます。その紙には「ルー」や「ウー」、強弱、何拍伸ばすかなど、どんどん生徒に書き込ませましょう。まず、最低限楽譜に書かれている記号を書き込ませましょう。

歌唱指導

<リラックス体操>
・首を回します。ぐるぐる。反対ぐるぐる。
・肩を上下に動かします。イチ、ニ、サン、シ、ゴ。
<発声練習>
・「アー」で15秒。用意、はじめ。「アーーーー・・・」
・「アー」で20秒。用意、はじめ。「アーーーー・・・」
・ニャオニャオギャオギャオと言いましょう。さん、ハイ。
以上慣れてくると1分10秒でできます。
ポイント
・声の高さはこだわらず、どんな高さでもよいです。大切なのはわずか15秒をクラス全員で集中して声を出すこと。途中でフラフラしたり、笑ったり、しゃべったりする子が最初のうちは必ずいます。「わずか15秒です。たったこれだけの時間でも全員が集中するというのは難しいのです。クラス全員が集中できた時、大きな力になります。」などと話してみましょう。できたら必ず褒めましょう。「すごいぞ!じゃあ、20秒目指してみよう。」息を吸う前に全部吐いてしまうと、たっぷりと吸えます。また、どうしても続かない生徒には、「息がなくなっても、知らん顔してアの顔をしておいたらいいよ。」と言っておきましょう。黒板の真ん中の少し上に〇を書くか、担任が手のひらを見せて手を挙げてそこに声を集めるように真っすぐな息を出させましょう。ニャオニャオギャオギャオは、ゆっくりと頬の筋肉をしっかり伸ばさせて口をいっぱいに動かしてしゃべらせましょう。

出だしをそろえる
・全員で一緒に息を吸わせましょう。アクションをつけて、たっぷり吸わせましょう。
・くじらが魚や海水を飲み込むように吸わせましょう。
・手や足の先まで息が届くように吸わせましょう。
・「ア行」「カ行」「ハ行」「ラ行」は、その口の形で息を吸わせましょう。「明日」なら「ア」の口で、「遥かな」なら「ハ」の口で。言葉に対する意識が違ってきます。ハミングなら鼻で吸いましょう。
・練習の中で出だしが悪いときは、止めてやり直させましょう。
・教師が何も言わなくても、指揮者が手を上げたらすぐ黙って注目できるようになるまで練習させましょう。

強弱
・作曲家は意図してそこにその記号をつけています。その記号を忠実に再現しようとすることで、作曲家の感性に近づくことができます。
STEP1
・楽譜に書いてある記号すべてを調べ、わからないところは意味を楽譜に書き込みましょう。
・「歌い始めはフォルテだから強く」「ここからピアノだから弱く」のように最初はストレートな指示がよいです。
STEP2
・歌詞に書いてあるとおりのことをイメージさせましょう。「フォルテだから強く」ではなく、「こういう歌詞だから強く」という指示になります。
「『ちいさなてのひらにそっと…』という歌詞ですよ。やさしく小さく歌いましょう。」
「力を」「たくましい」「大きな」・・・文字通り元気に大きく歌わせましょう。
STEP3 くりかえしについて
・同じ言葉を繰り返したり、途中から繰り返すときなども作曲者は意図して作っています。音楽における繰り返しの多くは「協調」または「エコー」のどちらかと考えられます。
・「強調」なら2回目を強く、「エコー」なら2回目を弱く歌わせましょう。この場合はどちらになるかを考えて工夫するだけで、繰り返しをのんべんだらりと歌うことがなくなり、曲にメリハリがでます。
STEP4
・言葉の最後をのばして次がフォルテになっている場合は、書いていなくてもクレシェンドで(だんだん強く)歌うとよいです。
・ずっと強く歌っている中に、ひとつ弱く歌う単語を入れてみましょう。
「時の旅人」♪涙のあとにはいつも君がそばにいて生きる喜び・・・・の次の「教えてくれた」だけを弱く、次の「教えてくれた」は大きく

のばすところ
記号のとおりに伸ばすことを指示しましょう。作曲家は曲の最後には力を入れて作っています。

口をあける
・耳の下の、あごの骨のところに人差し指を当てて、へっこむくらい開けさせましょう。
・縦に指が3本入るくらい
・あくびをするように
→口をあけるというよりも口の奥(軟口蓋や舌根)、いわゆる「のどちんこ」を開かせます。
口を開けるとともに「目をぱっちり、まゆげ3センチ上げて」もできると素晴らしい表情になります。

音程が外れる生徒への言葉かけ
「音が外れているよ」、「音程が違っているよ」とついつい言ってしまいがちです。それを聞いた生徒も「〇〇君、音痴だな」と指摘するようになってしまいます。そんな状況を教師が作っておきながら「しっかり声を出して歌いなさい」というのは無茶な話です。
・音程が外れる生徒を含めた全員への声のかけ方
「音が外れても、声が小さくても、口が開かなくても、一生懸命歌おうとする、その姿が聞いている人に感動を与えます。音が外れることを気にして声が小さくなるよりも、外れてもみんなが楽しそうに精一杯歌っているほうが素敵です。一人ひとりが自分の精一杯で歌いましょう」
→すべての生徒が気持ちよく自分の持っている力を出せるような雰囲気を作りたいものです。

合唱指導の学級経営

生徒を動かす
実行委員や歌声委員が中心となって活動を進めます。必要な係は指揮者、伴奏者、パートリーダーです。

練習方法
1.係は前に出る
2.合図で机を動かし、整列する (30秒を目指す)
3.はじめ リラックス体操、発声練習 (1分30秒)
4.今日の練習目標(指揮者より)
5.練習(パート練習10分、合唱5分)
6.今日の評価(指揮者より) (20秒~30秒)
7.先生の話 褒めてあげましょう。個人名をだすとよいです。 (1分)
8.終わり 机の整頓
以上で20分

歌わない生徒の指導
「歌わない」生徒のほとんどは「歌えない」生徒かもしれません。したがって励まし繰り返し練習することで歌うようになるはずです。「先生と一緒に練習しよう」と誘ってみましょう。声の小さいパートを責めるのではなく、援助し励ましましょう。

褒める
全体の前では、褒めて褒めて褒めまくりましょう。頑張っている生徒を褒めることに徹しましょう。すると、ごく一部の生徒を除いてやる気のある子が増えてくるはずです。

音楽の時間を見に行く
自分の授業との兼ね合いで難しいかもしれませんが、もし空いていたら見に行きましょう。音楽の時間にどんなことを習って、どんな風に歌っているのかわかって、勉強になります。前もって音楽の先生には見に行かせてもらうことを頼んでおきましょう。

指揮者、伴奏者への指導、声掛け
技術的な指導は音楽の先生がっやってくれるはずです。担任の先生でも、できる範囲でどんどん実技の指導ができるとよいです。本番を迎えるうえでの、指揮者、伴奏者の負担は大きいです。意識して励まし、相談相手になってあげ、言葉をかけましょう。

褒めることを意識しよう

態度・行動面の褒める言葉
・ソプラノは並ぶの速いね。一番だ。
・アルトはパートリーダーが指示して並ばせているね。
・係の指示する声が大きくてはっきりしているね。
・○○君を呼びに行ってくれたのか、ありがとう。
・今日は、並ぶのに28秒だった。はやいなぁ。こんなに速くできるクラスはなかなかないよ。
・指揮者が前に出るとすぐに注目できるようになったね。
・楽譜を忘れずに全員もってきているね。
・AさんBさんCさんは注意されたことをすぐ楽譜に書き込んでいたね。
・指揮者に注目できているね。

姿勢・表情についての褒める言葉
個人名で褒めることができるように、生徒をよく見ましょう。
・姿勢がいいなあ。
・口がよく開いているなあ。
・楽しそうに歌っているね。
・表情がいいね。
・堂々として迫力があるよ。
・姿勢がぐらぐらしなくなり、集中力が出てきたね。
・さすが、パートリーダーは姿勢も、表情もすばらしいね。
・指揮者が手を下すまで緊張感が続くようになったね。

姿勢・表情についての褒める言葉
よくわからなくても、すてきだと思った時、言ってみましょう。
・みんなでそろって息が吸えているよ。
・きれいな声になってきたね。
・美しいハーモニーになってきたね。
・教室が、声でいっぱいになってきたよ。
・他のクラスが廊下で聞き惚れているよ。
・いいなあ。合唱団みたいだ。
・合唱に厚みが出てきたね。
・よく響く声になってきたね。
・気持ちを込めているのがよくわかるよ。
・ここのクレッシェンド(だんだん強く)、すごく盛り上がっていい感じだよ。

タイトルとURLをコピーしました