私が勤めていた学校では、家庭学習ノートというものがあり、生徒は一日1ページを必ずやって提出するという約束がありました。どうしてもイヤイヤに家庭学習に取り組む生徒が多かったです。どうしたら意欲的に頑張れるのでしょうか?取り組んで効果が出たものを紹介します。
家庭学習指導のポイント
復習することの大切さを伝える
エビングハウスの忘却曲線
下にある表は、ご存知かもしれませんが、約150年前にヘルマン・エビングハウスが実験をした結果です。どのくらい情報を一定期間保ち、思い出すことができるか、記憶について実験しました。
※忘却曲線のグラフは省略、googleなどで画像検索してください。
時間 | どのくらいの内容を忘れているか |
20分後 | 42% |
1時間後 | 56% |
9時間後 | 64% |
1日後 | 66% |
2日後 | 72% |
6日後 | 75% |
1か月後 | 79% |
ここから言えることは、時間が経てばどんどん覚えたものが忘れていく‥ということです。
実は、左の表ではわかりませんが、忘却曲線のグラフをみると、復習をすると内容が忘れにくくなるという実験結果があります。
やはり、記憶の定着には復習をすることが大切です!!
どんな復習が大切なのか~復習の仕方~
「家庭学習ノートに毎日1ページやって提出しなさい」と言うと、教科書の内容を写したり、授業ノートをもう一度写すだけの生徒がいます。どういう復習が大事なのかを教える必要があります。
【生徒に説明すること】※社会科を例に
教科書やノートを見て、用語などを覚えたら
①ワークや入試問題などの問題を解くこと
②重要語句など単語の意味を説明できるようにすること
例…二毛作とは〇〇〇〇という意味
わかる=仲間に説明ができる
用語を覚えただけで理解したつもりでいる生徒が多くいます。【わかる】とは自分の言葉で説明ができること。自分の言葉で説明する【思考・判断力】が今の教育に求められています。
進路を意識させる
誰のためにやるのか
提出しないと先生に怒られるから、家庭学習をやるという生徒も見受けられます。誰のためにやっているのかをもう一度説明してあげましょう。
進学への危機感を持たせる
廊下や教室の背面掲示物に、1・2年生の段階から入試情報を掲示しておくとよいです。倍率、どのくらい点数を取る必要があるのかなどを説明し、日々の積み重ねが進路につながることを意識させましょう。
褒めてやる気をださせる
家庭学習ノートにコメント
一人ひとりのノートを見る時間がなく、スタンプだけを押して返してしまいがちです。もし、自分が生徒だったら「次も頑張ろう!」という意欲がわかないと思います。一言でもコメントを添えてあげることが大切です。
全体の場で褒める
家庭学習の取り組みが良かった生徒を帰りの会など全体の場で褒めてあげることで、承認欲求が満たされ、次も頑張ろうという気持ちになるはずです。
個別に呼んで、直接コメントする
昼休み、休み時間、給食の配膳時などに一人ずつ呼んで、実際にノートを見ながら褒めてあげたり、改善のポイントを伝えて上がることも大切です。
取り組みが良いノートをコピーして掲示
工夫されている家庭学習ノートがあったら、事前に子どもに承諾をもらってコピーをとり、教室の壁に掲示をすると、学級の取り組みが変わるかもしれません。その時に、どんなところが良いかを先生が赤ペンなどでコメントできると良いと思います。